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生きやすくするためのエッセンス

僕が考える「本当のブラック企業」とは

 ここ最近、「ブラック企業」に関するエントリーをよく見る。
そんな中で「単に労働時間が長いだけでブラック企業」という人がいる。がそれは違うと断言できる。過去に「真のブラック企業」とも言える会社で2年働いてた僕が考える「ブラック企業のポイント」は以下だ。

その1:従業員に12時間近く「同じ作業を課す」

僕は25歳くらいのころ、いい年こいてバンドをやっていた。バンド解散後働こうと思ったが、職歴なしの元バンドマンなんかを正社員で雇ってくれる会社なんか無い。途方に暮れてたが、唯一採用となったのが「投資用マンション販売会社の営業マン」だった。明らかにヤバい匂いしかしないのだが仕方ないので入社した。そこからの2年は本当に地獄だった。

職務は投資用ワンルームマンションを個人に販売する、というもの。販売手法は朝の9時半から夜の22時半まで延々と「電話で営業」しろという。入社オリエンテーションの時僕は思わず

「はwwww誰が電話でマンションなんか買うんすかwww」

と言ったが確かに世の中には買う人もごく稀に存在するのである。もちろん宅建法上契約は宅建主任者同行の元対面で契約しなければいけないが、用は「電話で『買う』と言わせてアポをとる」までが仕事だと思っていただければいい。前置きが長くなったが、別に電話営業主体の会社すべてがブラック企業なのではない。僕が働いていた会社は

  • 9時半から電話営業開始
  • 19時まで、保険会社の支部長クラスや役所関連の所長クラスに延々と「マンション買いませんかー」と電話
  • そこから30分「休憩」
  • 19時半から業務再開
  • 22時半まで今度は公務員の個人宅などに延々と「マンション買いませんかー」と電話



という業務内容である。おそらく一日250件以上は発信していたはず。一日中「もしもし」「投資用ワンルームマンションのご紹介なんですが」しか言わないのである。これはきつい。人間は同じ作業を12時間続けられるほど都合よくはできていない。

しかも99%ガチャ切り。稀に話聞いてくれる人もほぼ冷やかし。このようにまる一日同じことをやらせるのが真のブラック企業だ。僕から言わせれば「9時から18時まで営業外回りして、戻って事務処理たまってて23時とかまでかかるわーブラックだわー」というのは甘えだ。「作業内容が変わる」というのは頭の切り替えができるし、「何かおれ仕事こなしてる感」も刺激できるからだいぶブラック感薄れるのである。一日電話してる時の奴隷感は半端ないぞ。

 

その2:営業先リスト入手方法がかなりグレー

特に個人宅に電話する時に重要なのが電話番号記載の名簿。どこから入手するかと言うと、神保町あたりに存在する通称「名簿屋」と呼ばれる、大学や高校の卒業名簿を売っている古本屋からなのである。しかも名簿屋は当然原本をコピーして複数の会社に発売してるから、名簿に名前と電話番号載せてしまった不幸な人は同じような会社から電話がきまくる運命。

最近は個人情報の取扱もかなり厳しくなってるので新しい名簿なんてそうそう出てこない。だから、新鮮な情報が掲載された新しい名簿が会社に到着すると僕ら営業マンはそれが「宝の山」に見えてしまう。まあそれは錯覚であり他の名簿同様ガチャ切りの嵐なわけだがそれでも1週間はその名簿に載ってる電話番号にかけ続けてしまう。

僕から言わせれば、法人相手で正規の営業ルートが確保されているのはホワイトである。店を構えて個人客が向こうから入ってきてくれるのもホワイトである。もし営業活動がうまくいかない場合、創意工夫により改善する余地があるからだ。社内の誰かが別のルートを開拓してくれたり、立地改善やクーポンで客を呼び込むなど様々な手法がある。しかし僕が考えるブラック企業は、そんな創意工夫をこらす余地は無い。骨までしゃぶり尽くすごとく、何も考えず延々と名簿を見ながら電話をするのである。名簿が尽きたら会社もろとも死ぬ運命だ。よく街で「新卒社員です!名刺交換の練習をさせてもらっています!」とか言ってくるバカがいるが、何の会社なのかは知らないがあれも営業リスト入手の一環だろうから漏れ無くブラックだと思う。そういった営業リストが限定されるような会社はたいていブラック化する。

 

その3:休みが月2日間しかない

休日は日曜日だけであった。しかし、第3週を過ぎてまだ一室も発売できていない営業マンは、会社から見たら「電話代を浪費するだけの無駄なコスト」になってしまうので「次の日曜、出勤!」とか突然言われるのである。しかも土曜日の業務終了後に。これは本当に萎えた。そんな萎えた状態で営業活動をしたところで売れるわけはないのである。結果的に第3週過ぎても売れずまた日曜日出勤…の繰り返しになってしまい、気づくと月2日しか休んでいない計算になる。やはりブラックの条件として月の勤務日数25日以上というのは欠かせない。

よく「労働監督署に報告すればいいじゃん」みたいなこと言う人がいるが、頭が湧いてるとしか思えない。上記の労働条件で、一体どうやって連絡すればいいというのだ。というか、そういう会社ではたらく人間は僕も含めた大半の人がバカ(※)なので、そもそも労働なんとか署が存在することすら知らない。知っててもどうやって連絡すればいいのかわからない。調べる時間もない。調べる方法もない。だからそんなアドバイスはそもそも無駄なのである。

なお、正月とゴールデンウイークはさすがに休みだった。しかも普通の企業よりも1~2日多かった覚えがある。おそらくどちらも月初かぶるのと、まさに飴と鞭、生かさぬよう殺さぬようという社長の配慮からであろう。もちろんほとんど寝ていた。おかげで学生時代から付き合ってた彼女にもフラれた。まあ彼女は一部上場企業の事務職員として働いていたから僕なんかと付き合う必要はゼロだったのである。ブラック企業の従業員に彼女なんているわけがない(配偶者がいる・いないはまた別の話)。

※「バカ」とはもちろん知能指数云々の話ではない。「情弱っぷりが半端ない」という意味である。だいたい情報を持ってたらそんな会社に入ろうと思わない。

 

まとめ

以上が僕の考えるブラック企業だ。もしあなたがそんな会社で働いていたら?今すぐ転職活動をしよう。自分で転職先を探す必要はない。君みたいな情弱が探してくる会社はやっぱりゴミみたいな会社しかないはずだ。DUDAやリクルートなど、転職を斡旋してくれるエージェントに申し込もう。彼らに転職先を探させるんだ。彼らも転職が成功すれば報奨金が入るから必死だ。今よりまともな働き口は必ずある。

もしあなたが社長で、自分の会社が「ブラック企業である」という風評が立っていたらどうすればいいか?上記の部分を改善すればいい。別に従業員の一日の勤務時間を減らさなくてもいい。8時間営業活動させて、残りの4時間は別の仕事を与えればいい。休日も一日だけ増やしてあげればだいぶ改善だ。営業先リストは合法のものをどうにかして手に入れる。そこにはコストを費やすべきだ。

以上。
みなさん頑張ってください。

 

元ブラック企業社員オススメ

【本とかDVDとか】





ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD]
小池徹平
アミューズソフトエンタテインメント
2010-04-23





【Kindle Unlimited】
ブラック企業に働いてると、情報がどんどん遮断されて完全に奴隷と化します。

せめてたくさんの本だけでも読んで情報感度を上げておきましょうね。



【amazon Fresh】
あと笑っちゃうほど奴隷化生活が続いててまともに買い物にいけないのもブラック企業構成員の特徴。

ごくわずかな休日もできるだけ自宅で寝ていたいはずです。

生鮮食品はAmazon Freshがガチ便利なのでオススメです。






僕からは以上です。
会社のために自分があるのではなく、自分のために会社を使いたいですね。